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情報の確認日
2026年10月25日(法令、国の答弁書・通知、自治体の公式情報)

この記事について
法律や制度を整理するもので、個別のケースについて法的な判断をするものではありません。心配なことがある場合は、お住まいの自治体の担当課や専門家に確認してください。

ペットの火葬や埋葬について調べていると、「法律で決まっている」という説明と「法律はない」という説明の両方を見かけます。

このページでは、国の法律、国の答弁書と通知、自治体の条例を確認して、決まっていることと決まっていないことを分けて整理しました。

先に結論:ペットの火葬・埋葬を直接決めた国の法律はない

平成16年に政府が国会へ出した答弁書には、次のことが書かれています。

  • 動物霊園で取り扱われる動物の死体に関する法律は存在しない
  • 動物には、墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)は適用されない
  • 火葬場などの施設の設置と管理運営について、政府による許可などの制度は存在しない

一方で、ルールがまったくないわけではありません。整理すると、次のようになります。

項目決まっていること根拠
火葬の方法・時期国の法律では決まっていない平成16年の政府答弁書
ペット火葬の事業者国の許可制度はない。市区町村の条例で許可・届出を求めている地域がある答弁書、各市の条例
自治体に頼む場合多くは廃棄物処理の仕組みで扱われる。内容は自治体ごとに違う廃棄物処理法、各市の案内
自宅の庭への埋葬・散骨直接決めた国の法律は確認できない。条例がある地域がある各市の案内・条例
犬の死亡届30日以内に市区町村へ届け出る(罰則あり)狂犬病予防法
マイクロチップ登録している犬・猫は「遅滞なく」届け出る動物愛護管理法

以下、順番に説明します。

墓地埋葬法は、ペットには使われない

人が亡くなったときの火葬・埋葬・お墓は、墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)で決まっています。火葬や埋葬には市町村長の許可が必要で(第5条)、墓地・納骨堂・火葬場を経営するには都道府県知事などの許可が必要です(第10条)。

しかし、先ほどの平成16年の答弁書で、政府は動物には墓地埋葬法が適用されないと答えています。

そのため、ペットの場合は、

  • 火葬するのに、役所の許可(火葬許可証)はいらない
  • 人の火葬のような「亡くなってから24時間は火葬できない」という決まりもない
  • ペット霊園は、人の墓地のような知事の許可の仕組みでは扱われていない

ということになります。ペット霊園と人のお墓の制度の違いは、ペットの遺骨はどうする?納骨・手元供養・自宅埋葬・散骨と、決める前に確認することで詳しく書いています。

廃棄物処理法との関係|自治体と民間で扱いが違う

ここがいちばん誤解されやすいところです。

法律の条文には「動物の死体」が出てくる

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第2条第1項は、廃棄物の定義の中に「動物の死体」を挙げています。

自治体がペットの遺体を引き取る仕組みは、多くがこの廃棄物処理の仕組みの中で運用されています。たとえば福井市は「動物の死体は一般廃棄物として取扱う」と案内しています。

ペット霊園に頼む遺体は「廃棄物ではない」とする国の回答がある

一方で、昭和52年8月3日、国(当時の厚生省)は、兵庫県宝塚市の動物霊園事業についての照会に、次のように回答しています(環計第78号)。

照会に係る動物霊園事業において取り扱われる動物の死体は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第二条第一項の廃棄物には該当しない。

平成16年の答弁書でも、動物霊園で扱われる動物の死体は、宗教的・社会的な慣習によって埋葬や供養が行われるものなので、廃棄物処理法の規制の対象にはならない、という考え方が示されています。

つまり、同じペットの遺体でも、誰に、何のために頼むかで、法律上の扱いが変わります。

「自治体に頼むとごみ扱い」は半分だけ正しい

自治体の中には、廃棄物の処理であることをはっきり書いているところがあります。高知市は「焼却炉でごみと一緒に焼却します。」と案内しています。

一方で、横浜市や仙台市のように、動物用の炉で1体ずつ火葬して、お骨を返している市もあります。法律上の位置づけと、実際にどう扱われるかは、自治体ごとに違います。

お住まいの自治体がどうしているかは、市区町村のペット火葬制度を調べる|返骨・料金・立会いを34市町の公式情報で確認で調べられます。

ペット火葬の事業者に、国の許可はいらない

ペットショップやペットホテルは、動物愛護管理法の「第一種動物取扱業」として登録が必要です。しかし、これは生きている動物を扱う仕事が対象で、ペットの火葬や葬儀は含まれていません。

国は平成23年に、火葬・埋葬の事業者をこの登録の対象に加えるかを検討しましたが、加えないという結論になっています。その経緯はペット火葬でトラブルになったら|相談できる先と、公的な記録がない理由にまとめています。

ルールは市区町村の条例で決まっている

国の法律がない代わりに、ペット霊園やペット火葬場を条例で規制している市区町村があります。地方自治研究機構の調べでは、ペット霊園を規制する条例で施行が確認できるものは、令和7年11月1日時点で122条例です。

条例の中身は、市によってかなり違います。

  • 京都市:ペット霊園の設置に市長の許可が必要。ペット霊園で遺体を土に埋めることを禁止している
  • 堺市:移動火葬車で火葬する事業者に、市への届出を求めている。料金などの事前説明も義務づけている
  • 宇治市:移動火葬業を許可制にしている。火葬する場所に、住宅から100メートル以上離れることなどの条件がある

いずれもその市の条例で、全国共通のルールではありません。訪問火葬(移動火葬車)の条例の扱いは6通りに分かれていて、詳しくはペットの訪問火葬とは?火葬車の仕組み・火葬する場所・確認したいことで説明しています。

火葬炉には、環境の法令がかかることがある

ペット専用の法律はなくても、火葬炉は「ものを燃やす設備」なので、大気汚染などの環境の法令がかかる場合があります。

たとえば東京都大田区は、ペット火葬場を作るときの手続きの流れを公開しています。そこでは、炉の大きさによって大気汚染防止法や東京都の環境確保条例の届出が必要になること、区の要綱で近くの住民への説明が求められることが示されています。

条例があっても、サービスの質の保証ではない

条例の主な目的は、周りの住民の生活環境を守ることです。料金が適正か、対応が丁寧かを保証するものではありません。条例がない市で営業していることが、それだけで問題というわけでもありません。

料金や返骨の方法は、条例の有無にかかわらず、依頼する事業者に直接確認する必要があります。確認したいことは後悔しないペット火葬業者の選び方|料金・追加費用・確認すべき7項目にまとめています。

お住まいの地域で、民間の料金と条件を確認したい方へ

ペット葬儀110番は、ペット火葬の相談と見積もりを受け付けている窓口の一つです。ペットの種類、体重、地域を伝えると、利用できるプランと料金を確認できます。火葬する場所、返骨の方法、総額を、依頼する前に確認してください。

民間の料金と条件を確認する

※対応地域、加盟店、ペットの種類、依頼内容などにより、利用できない場合や掲載価格・条件で対応できない場合があります。ここで紹介するのは相談先の一つで、自治体やほかの事業者と比較したうえでご判断ください。

自宅の庭に埋める・散骨する

どちらも、直接決めた国の法律は確認できませんでした。ただし「自由にしてよい」と言える根拠もありません。

  • 埋められるのは、自分の土地か、持ち主の了解を得た土地だけです。公園や河川敷、他人の土地は対象外です。北海道北見市は、他人の土地や公共の場所に埋めると「廃棄物処理法や軽犯罪法に抵触する場合があります」と案内しています
  • 賃貸住宅の庭や、マンションの共有部分は、自分の土地ではありません
  • 散骨については、北海道岩見沢市のように条例を持つ市があります。ただし、人のお骨を想定した内容で、ペットが対象かは条文だけでは分かりません

深さや注意点を案内している自治体の例、散骨の確認先は、ペットの遺骨はどうする?の「自宅の敷地に埋める」「散骨する」で詳しく書いています。

法律で決まっている手続き|犬の死亡届とマイクロチップ

火葬や埋葬には法律の決まりがほとんどありませんが、届出には法律の決まりがあります。

  • 犬の死亡届:狂犬病予防法第4条第4項により、犬が死亡したときは30日以内に市町村長へ届け出ます。届け出なかった場合の罰則(20万円以下の罰金)もあります
  • マイクロチップ:環境省のデータベースに登録している犬・猫は、動物愛護管理法により死亡を届け出ます。期限は「遅滞なく」で、日数は決まっていません
  • 猫:マイクロチップを登録していなければ、公的な届出はありません

届出の方法や、2つの届出が1回で済む特例については、ペットが亡くなったあとの手続き|犬の死亡届、マイクロチップ、ペット保険で説明しています。

トラブルになったとき、使える法律と相談先

ペット火葬の事業者を直接取り締まる国の法律はありません。料金や契約のトラブルは、一般の消費者トラブルと同じように扱われます。

  • 相談先は、消費生活センター(消費者ホットライン 188)です
  • 条例がある市では、その担当課も窓口になります
  • 家に来てもらって契約した場合など、特定商取引法の「訪問販売」にあたるかが問題になることがあります。あたるかどうかは状況によるので、消費生活センターに相談してください

詳しくはペット火葬でトラブルになったらをご覧ください。

よくある質問

ペットの火葬に許可証はいりますか

いりません。人の火葬に必要な火葬許可証は墓地埋葬法の手続きで、政府はこの法律が動物には適用されないと答えています。ただし、犬の場合は死亡届が別に必要です。

亡くなってから何時間たてば火葬できますか

ペットには、法律で決まった時間はありません。人の場合の「24時間」は墓地埋葬法の決まりで、ペットには適用されません。いつ火葬するかは、ご家族の気持ちと、遺体の状態、事業者や自治体の受付日で決めることになります。安置のしかたはペットが亡くなったら最初にすること|安置から火葬までの流れを順番に解説をご覧ください。

自宅の庭で、自分で燃やしてもいいですか

おすすめできません。飼い主が自分で燃やすことについて、国の公式な見解は確認できませんでした。ただ、廃棄物処理法第16条の2は、決められた方法以外で廃棄物を燃やすことを禁止しています。ペットの遺体がこの「廃棄物」にあたるかは状況によって判断が分かれうるため、「問題ない」と言える根拠はありません。煙やにおいで近所とのトラブルになるおそれもあります。迷ったら、お住まいの自治体に相談してください。

ペットの遺体を家庭ごみに出してもいいですか

自治体によって案内が正反対です。松山市のように、ごみとして出さないよう案内している市があります。必ずお住まいの市区町村の案内を確認してください。

ペットを人のお墓に一緒に入れるのは違法ですか

一緒に入れることを禁止する国の法律は確認できませんでした。ただし、墓地ごとの規則で扱いが違い、水戸市の公園墓地のように「ペットの埋葬もできません」としている墓地があります。利用している墓地の管理者に確認してください。

許可を受けていない業者に頼むと違法になりますか

国の許可制度はないので、「国の許可がない」こと自体は問題ではありません。条例で許可や届出を求めている市では、その市で営業する事業者に手続きが必要です。気になる場合は、事業者に「この市で必要な届出・許可を受けているか」を聞いてください。

まとめ

  • ペットの火葬・埋葬を直接決めた国の法律はなく、墓地埋葬法も適用されない
  • 自治体に頼む場合は廃棄物処理の仕組みで扱われることが多いが、ペット霊園に頼む遺体は「廃棄物ではない」とする国の回答がある
  • 事業者のルールは、市区町村の条例で決まっている地域がある。中身は市ごとに違う
  • 法律で決まっているのは、犬の死亡届とマイクロチップの届出
  • 料金や返骨の方法は、法律では守られていない。依頼する前に、事業者へ直接確認する

主な参考資料