この記事について
本記事には広告・アフィリエイトリンクを含みます。掲載している規則は、鉄道会社・バス事業者・国土交通省の公式資料で確認したものです。特定の事業者を推奨するものでも、批判するものでもありません。
情報の確認日
2026年9月10日
規則は変更されることがあります。実際に利用する際は、各社の公式情報でご確認ください。
ペットが亡くなって、火葬場や動物病院へ連れて行きたい。でも車がない。
電車で運べるのか。タクシーは乗せてくれるのか。調べても、はっきり書いてあるページが見つかりません。
そこで、鉄道8社の旅客営業規則、バスの国の省令、タクシーの標準運送約款、航空2社の案内を、条文にあたって確認しました。結果を先に書きます。
確認して分かったこと
鉄道8社すべての規則に、持ち込めないものとして「死体」が挙がっていました。「動物」はそれとは別の項目として並んでいます。
ただし、その「死体」に動物が含まれるのかを説明した記述は、どこにもありませんでした。条文だけを読んで「運べる」とも「運べない」とも判断できません。
タクシーの標準運送約款には、「死体」も「動物」も出てきませんでした。鉄道やバスとは規定の構造そのものが違います。
この記事は「電車で運べます」とも「運べません」とも書きません。当サイトが判断できることではないからです。書けるのは、条文に何が書かれているか、そして運ばずに済む方法があることです。
鉄道8社すべてに、「死体」の規定がありました
鉄道会社は「旅客営業規則」で、車内に持ち込めないものを定めています。JR東日本の場合、第307条です。
持込禁制品として列挙されているのは、危険品、刃物、暖炉やこんろ、そして——
(4)死体
(5)動物(少数量の小鳥・小虫類・初生ひな及び魚介類で容器に入れたもの、〔中略〕又は持込みの承諾を受けた動物を除く。)
JR東日本 旅客営業規則 第307条より
この条文は、JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州の4社で一字一句同じでした。それぞれ別々に取得して照合しています。
JR以外でも同じ構造でした。近畿日本鉄道の第200条、Osaka Metro、西日本鉄道、えちごトキめき鉄道。確認した8社すべてに「死体」の項目があります。
「動物」は、それとは別の項目です
ここが重要です。「死体」(第4号)と「動物」(第5号)は、同じ列挙の中の、別々の項目として並んでいます。
そして「動物」のほうには、持ち込める場合の条件が別の条文で定められています。JR九州の第309条を見ると、こうです。
- 小犬・猫・はと又はこれらに類する小動物であること(猛獣及びへびの類を除く)
- 他の旅客に危害を及ぼし、又は迷惑をかけるおそれがないと認められるもの
- 3辺の最大の和が120センチメートル以内の専用の容器に収納したもの
- 容器に収納した重量が10キログラム以内のもの
- 普通手回り品料金 1個につき290円
この条件は、すべて生きている動物を前提とした書き方です。「危害を及ぼすおそれ」も「猛獣及びへびの類を除く」も、亡くなった動物を想定した文言ではありません。
では「死体」に動物は含まれるのか
ここが、今回いちばん知りたかった点です。そして、確認できませんでした。
8社のどの規則にも、「死体」が人のものに限られるのか、動物を含むのかを定義した記述はありませんでした。「動物の死体」「ペットの遺体」と明示した条文は、1件も見つかりませんでした。
手がかりが1つあります。JR東日本が公式に出している英語版では、持込禁制品が次のように訳されています。
Dangerous goods, bladed instruments, stoves/braziers, animals, dead bodies, unsanitary items, items emitting odors, …
JR東日本 公式英語ページより
“dead bodies” であって、”human remains”(人の遺体)とは書かれていません。ただし、これも動物を含むと断定できる根拠にはなりません。
条文から読み取れるのは、ここまでです。
- 「動物」の例外規定(容器・重量・290円)は生きている場合の条件なので、亡くなったペットがこの規定に当てはまるとは読めない
- ただし「死体」に該当するかどうかは、条文の文言だけからは判断できない
当サイトは法律や約款の解釈を判断できません。どうしても鉄道を使う必要がある場合は、乗る予定の鉄道会社のお客様窓口に直接お問い合わせください。
バスは、国の省令に同じ構造があります
路線バスの場合、各社の約款ではなく国の省令が持込みを制限しています。旅客自動車運送事業運輸規則(昭和31年運輸省令第44号)第52条です。
列挙されている中に、次の2つが並んでいます。
十二 死体
十三 動物(身体障害者補助犬〔中略〕及びこれと同等の能力を有すると認められる犬並びに愛玩用の小動物を除く。)
旅客自動車運送事業運輸規則 第52条より
鉄道とまったく同じ構造です。「死体」と「動物」が別の項目で、「動物」の例外は生きている場合を想定しています。
ただし、この第52条には見落とせない限定があります。条文の柱書きが「一般乗合旅客自動車運送事業者の事業用自動車を利用する旅客は」で始まっています。一般乗合、つまり路線バスが対象です。
タクシーには、その規定が見当たりませんでした
タクシーは「一般乗用旅客自動車運送事業」で、路線バスとは別の区分です。
国土交通省が出している一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款の、運送の引受けの拒絶と手回品の持込み制限の条文を確認しました。
「死体」「遺体」「動物」「ペット」——いずれの語も出てきませんでした。
路線バスの持込制限をタクシーにも及ぼす条文も、確認した範囲では見つかりませんでした。つまり、鉄道やバスのような明文の禁止規定が、タクシーには見当たらないということです。
ただし、これは「乗せてもらえる」という意味ではありません。実際に乗せるかどうかは各社・各乗務員の判断です。大手タクシー会社の案内を見ても、生きているペットの同乗については書かれていますが、遺体についての記載はありませんでした。
乗る前に電話で確認してください。停まった車に乗り込んでから伝えるのは、運転手にとっても困る状況になります。
飛行機は、遺体についての記載が見つかりませんでした
国内の大手2社の公式ページを確認しました。ペットを預ける条件は詳しく書かれていますが、いずれも生きている動物が前提です。「ご家庭で飼いならされ、航空機の利用に適した健康状態である」「生後8週間以上経過している」といった条件が並びます。
亡くなったペットを運べるかどうかについての記載は、旅客向けページには見当たりませんでした。貨物としての扱いは今回確認できていません。帰省先や旅行先で亡くなった場合など、航空機での搬送が必要になったときは、航空会社に直接ご確認ください。
運ばずに済む方法があります
ここまで読んで、行き詰まった気持ちになったかもしれません。ただ、運ぶ以外の方法があります。
自宅まで来てもらう(訪問火葬)
火葬車が自宅の近くまで来る方式です。自分で運ぶ必要がありません。車がない方にとっては、これが最も現実的な選択肢になることが多いと思います。
ただし、駐車できる場所があるか、実際にどこで火葬するのか、確認しておきたいことがあります。ペットの訪問火葬とは|移動火葬車のしくみと確認することにまとめています。
自治体に引き取りに来てもらう
自治体によっては、自宅まで収集に来てくれます。持ち込みより料金は高くなりますが、運ぶ必要がありません。
| 自治体 | 収集を依頼する場合 | 持ち込む場合 |
|---|---|---|
| 立川市(東京) | 4,000円 | 3,000円 |
川口市(埼玉)も、収集依頼と施設への持込の両方を案内しています。ただし、これは2市を確認した結果です。収集そのものを行っていない自治体、返骨できない自治体もあります。お住まいの自治体の案内を必ず確認してください。
自治体の料金や受付方法がどれだけ違うかは、ペット火葬・葬儀の費用相場|体重別・火葬方法別に公開料金を調べましたで複数の自治体を比べています。
かかりつけの動物病院に相談する
病院で亡くなった場合や、通院中だった場合は、火葬業者と提携している病院があります。その場から引き継いでもらえることもあります。
ただし、預かってもらえるかどうか、費用がどうなるかは病院によって違います。元気なうちに聞いておけると、当日あわてずに済みます。何を聞いておけばよいかは、ペットとのお別れが近いとき|運ぶ手段と夜間の連絡先を先に決めておくにまとめています。
ペット専用の搬送サービス
ペットの搬送を専門にするタクシー事業者が存在します。ただし今回、各社の公式サイトを取得できず、料金や対応内容を確認できませんでした。この記事では内容を紹介しません。「ペットタクシー (地域名)」で検索して、対応の可否と料金を直接お問い合わせください。
運ばずに済ませたい方へ
訪問火葬なら、火葬車が自宅の近くまで来るため、ご自身で運ぶ必要がありません。ペット葬儀110番は、ペットの種類・体重・地域を伝えて、訪問で対応できる加盟店や見積もり条件を相談できる窓口の一つです。自治体やほかの事業者と比較するための材料としてご利用ください。
訪問で対応できるか確認する※対応地域、加盟店、ペットの種類、依頼内容、受付状況などにより、利用できない場合があります。申込み前に、実際に対応する事業者名、火葬方法、支払総額、追加料金、返骨、キャンセル条件をご確認ください。
よくある質問
結局、電車で運んでよいのですか
当サイトでは判断できません。確認した8社すべての規則に「死体」が持込禁制品として挙がっていますが、それが動物を含むかどうかを説明した記述はありませんでした。一方で「動物」の持込条件は、生きている場合を前提にした書き方になっています。どうしても必要な場合は、乗る予定の鉄道会社に直接お問い合わせください。あわせて、運ばずに済む方法もご検討ください。
タクシーは規定がないなら大丈夫ですか
「明文の禁止規定が見当たらない」ことと「乗せてもらえる」ことは別です。標準運送約款に記載がなくても、実際に運んでもらえるかは各社・各乗務員の判断になります。大手タクシー会社の案内でも、遺体についての記載はありませんでした。配車を頼むときに、電話で先に伝えてください。
箱に入れて見えないようにすれば問題ありませんか
規則は「見えるかどうか」で書かれていません。持ち込めるかどうかを定めているのは物の種類です。隠して持ち込むことをおすすめする立場にはありません。気になる場合は事前に確認するか、運ばずに済む方法を選んでください。
遺骨(火葬後)を電車で持ち帰るのはどうですか
この記事で扱ったのは火葬前の遺体についてです。火葬後の焼骨についての規定は、今回確認していません。人の遺骨については実際に持ち帰られていますが、ペットの焼骨について明示した規定は確認できていません。断定を避けます。
車を出してくれる家族も友人もいません
訪問火葬か、自治体の収集依頼が現実的な選択肢になります。どちらも自宅まで来てもらう形なので、運ぶ必要がありません。自治体の収集は、返骨されないことが多い点にご注意ください。返骨を希望する場合は、対応している事業者を探すことになります。
さいごに
調べ始めたときは、「電車で運べます」か「運べません」のどちらかが書けると思っていました。条文にあたってみると、どちらも書けませんでした。
鉄道8社の規則に「死体」の項目はある。でも動物を含むとは書かれていない。「動物」の規定は生きている場合の条件になっている。その隙間に、亡くなったペットが落ちています。
断定しているページを見かけるかもしれませんが、少なくとも公開されている規則からは、そう言い切る根拠を見つけられませんでした。
そして実際のところ、この問いに答えが出なくても困りません。訪問火葬も、自治体の収集も、自宅まで来てもらう方法です。車がないことは、見送り方を狭める理由になりません。
まだ亡くなった直後で、何から手をつければよいか分からない方は、ペットが亡くなったら最初にすること|安置から火葬までの流れを順番に解説を先にご覧ください。運ぶ手段を決める前に、まず安置です。急いで運ぶ必要はありません。
主な参考資料
- JR東日本「旅客営業規則 第10章 手回り品」
- JR East「Carry-on Baggage」(公式英語ページ)
- JR東海「旅客営業規則」(PDF)
- JR西日本「旅客営業規則 第10章」(PDF)
- JR九州「旅客営業規則 第307条〜第316条」(PDF)
- 近畿日本鉄道「旅客営業規則 第9章」(PDF)
- Osaka Metro「手回り品について」
- 西日本鉄道「お手回り品について」
- えちごトキめき鉄道「旅客営業規則 第9章」(PDF)
- 国土交通省「一般乗合旅客自動車運送事業標準運送約款」(PDF)
- 国土交通省「一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款」(PDF)
- ANA「ペットをお連れのお客様(国内線)」
- JAL「ペットとおでかけサービス(国内線)」
- 立川市「動物死体の収集依頼・持ち込み方法」
- 川口市「小動物(犬・猫等)の死体の収集・持込等について」
※鉄道8社・バスの省令・タクシーの標準運送約款・航空2社・自治体2市の確認日は2026年9月10日です。旅客自動車運送事業運輸規則第52条の条文は、複数のバス事業者が掲載している版で照合しました。規則は変更されることがあります。

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