ペットが亡くなったあとの手続き|犬の死亡届、マイクロチップ、ペット保険

ペットが亡くなったあとの手続き

この記事について
本記事に広告・アフィリエイトリンクは含まれていません。法令、制度、保険会社の記載は公式情報を確認したうえで掲載しています。特定の保険商品を推奨するものではありません。

情報の確認日
2026年8月26日
制度、自治体の受付方法、保険各社の取り扱いは変更されることがあります。手続きの前に、お住まいの自治体および契約先の公式情報でご確認ください。

ペットを見送ったあと、事務的な手続きが残ります。火葬が済んでから気づくことが多い部分です。

急ぐ必要はありません。まず見送りを終えて、落ち着いてから取りかかって構いません。ただし、期限があるものと、放っておくとお金がかかり続けるものがあります。

亡くなった直後にすることはペットが亡くなったら最初にすることにまとめています。この記事は、そのあとの話です。

目次

必要な手続きは、3つだけです

すべての人に3つとも必要なわけではありません。飼っていた動物と、登録の状況で決まります。

手続き対象期限罰則
犬の死亡届(狂犬病予防法)登録している犬30日以内あり
マイクロチップの死亡届出(動物愛護管理法)環境省のデータベースに登録した犬・猫「遅滞なく」(日数の定めなし)確認できず
ペット保険の連絡加入していた場合会社による

猫だけを飼っていて、マイクロチップを登録しておらず、保険にも入っていなかった場合は、公的な手続きは何もありません。

犬を飼っていた場合|死亡届(狂犬病予防法)

市区町村に登録している犬が亡くなったときは、届出が必要です。

狂犬病予防法第4条第4項に、犬が死亡したときは30日以内に、その犬の所在地を管轄する市町村長に届け出なければならないと定められています。

鑑札と注射済票を添えます

狂犬病予防法施行規則第8条は、死亡の届出をするときに次のことを定めています。

  • 届出書に、死亡当時の所有者の氏名と住所、登録年度と登録番号、死亡の年月日を記載する
  • 届出書に、鑑札と注射済票を添付する

ただし、同じ条文に「正当な理由があるときは、この限りでない」という但し書きがあります。紛失していても届出はできます。見つからないからと先延ばしにする必要はありません。窓口でその旨を伝えてください。

この届出には罰則があります

狂犬病予防法第27条第1号は、第4条の規定に違反して届出をしなかった者を、20万円以下の罰金に処するとしています。

実際に適用された事例を確認したわけではありません。ただ、条文上は罰則のある義務です。これは知っておいてください。

オンラインで出せる自治体もあります

受付方法は自治体によって異なります。窓口、郵送、電話のほか、オンライン申請に対応している自治体もあります。船橋市、仙台市、八王子市、横浜市で確認できました。

ただし全国一律ではありません。「(市区町村名) 犬 死亡届」で検索するのが早いです。

マイクロチップを登録していた場合|死亡等の届出

2022年(令和4年)6月1日から、犬猫のマイクロチップ情報登録の制度が始まっています。環境省のデータベースに登録している場合、亡くなったときに届出が必要です。猫も対象です。

期限は「30日以内」ではありません

ここは注意してください。「30日以内」と書かれているのをよく見かけます。自治体のページにもそう書いてある例がありました。

しかし条文を確認すると、動物の愛護及び管理に関する法律第39条の8(死亡等の届出)は、所有者は「遅滞なく」届け出なければならないとしており、日数の定めがありません。

「30日」が出てくるのは、同じ制度の中の別の条文です。

条文内容期限
第39条の6変更登録(犬猫を譲り受けたとき)取得日から30日を経過する日まで
第39条の5第8項登録事項の変更届出(住所など)変更を生じた日から30日を経過する日まで
第39条の8死亡等の届出遅滞なく

実務上は「気づいたら早めに」ということになります。30日を過ぎたから手遅れ、ということではありません。

届出の方法

届出先は指定登録機関です。環境省の資料によれば、公益社団法人日本獣医師会が指定を受けています。

  • オンラインまたは紙で届け出られる
  • 手数料はかからない
  • 登録証明書が必要

登録証明書は、登録したときに発行された書類です。これが要るので、探しておいてください。

なお、死亡診断書や火葬証明書が必要という記載は、環境省の公式ページには見当たりませんでした。不要と明記されているわけでもないので、手元にあるなら念のため用意しておくと確実です。

罰則は確認できませんでした

動物愛護管理法の罰則条文(第46条から第50条)を確認しましたが、第39条の8への言及は見当たりませんでした。

つまり「法律上の義務だが、届け出なかった場合の罰則は見当たらない」という状態です。

ただし、犬の死亡届のほうには罰則があります。この2つを混同しないでください。

そもそも自分の子が対象なのか

第39条の8の対象は「登録を受けた犬又は猫」です。マイクロチップが入っていても、環境省のデータベースに登録していなければ、この義務は生じません。

装着そのものについては、販売業者には義務、一般の飼い主には努力義務と定められています(第39条の2)。ペットショップやブリーダーから迎えた場合は装着されていることが多く、その際に飼い主が変更登録をしているはずです。

制度が始まる前から飼っていた子については、装着していないことも、装着していても環境省のデータベースには登録していないこともあります。登録証明書が手元にあるかどうかが、一つの目安になります。

この2つは別の手続きです(ただし特例があります)

犬の死亡届とマイクロチップの死亡届出は、根拠となる法律も、届出先も違います。

犬の死亡届マイクロチップの死亡届出
法律狂犬病予防法動物愛護管理法
届出先市町村長指定登録機関
対象登録している犬登録した犬・猫

原則としては、犬でマイクロチップも登録している場合、両方が必要ということになります。

特例に参加している自治体では、1回で済みます

マイクロチップを狂犬病予防法上の鑑札とみなす特例があります。この特例に参加している自治体では、指定登録機関に死亡の届出をすれば、市区町村への死亡届は不要とされています。

実際に、そう案内している自治体を確認できました。

  • 船橋市:マイクロチップ情報登録サイトで死亡手続きを行えば、狂犬病予防法に基づく届出は不要
  • 八王子市:環境大臣指定登録機関に情報登録している犬は、指定登録機関で手続きをすれば市への届出は必要ない
  • 相模原市:指定登録機関で手続きをすれば情報が市に通知されるため、市の手続きは不要

ただし、これは自治体によって違います。特例に参加していない自治体では、両方の手続きが必要です。

迷ったら、市区町村の担当課に電話して「マイクロチップの届出をすれば、市への死亡届は不要ですか」と聞いてください。これが一番確実です。

ペット保険に入っていた場合

ここが、放っておくとお金がかかり続ける部分です。

ペット保険13社の公式サイトを調べました(確認日:2026年8月26日)。以下は公式サイト上で確認できた範囲です。

連絡しないと、保険料が引き落とされ続けることがあります

亡くなれば自動的に契約が終わる、と書いている会社もあります。一方で、手続きが完了するまでは契約が続いているものとして保険料を請求すると明記している会社もありました。

「連絡しただけでは解約手続きは完了していない」と注意している会社もあります。書面の返送まで必要な会社があるということです。

この点を正面から説明していたのは、13社中3社だけでした。残りの会社は、届出を忘れた場合どうなるかを公開していません。

結論としては、気づいたときに連絡するのが確実です。

連絡の期限を示している会社は、ほとんどありません

期限を数値で示していたのは13社中2社でした。

1社は、亡くなった日から90日以内であればWebまたは書類で手続きでき、91日以上経過した場合は、死亡日が客観的に確認できる書面(死亡診断書、火葬や葬儀の領収書など)の提出を求めるとしています。

別の1社は、申出日から1年以上が経過している場合に証憑書類を求めることがある、としています。

時間が経つほど、書類が必要になる方向です。

保険料が返ってくるかは、支払い方で変わります

年払いか月払いかで大きく違います。

調べた範囲では、月払い(分割払い)は返還なしと明記している会社が5社ありました。年払いの場合は、未経過分が返還されるとする会社が多数です。

ただし、計算方法が会社によって違います。確認できただけで4通りありました。

  • 日割り
  • 月単位の短期料率
  • 約款の別表にある解約係数
  • 未経過期間ごとの返戻率表

「未経過分が返る」と一言で言っても、返る額は同じではありません。計算方法を公開していたのは13社中5社でした。

亡くなったあとでも、生前の治療費は請求できます

ここを知らずに諦めてしまう方がいるかもしれません。

亡くなる前にかかった治療費は、解約したあとでも請求できると明記している会社があります。

請求期限については、13社中7社が「3年」を示していました。診療日の翌日から3年、支払事由が発生した日の翌日から3年、といった書き方です。約款に条文として書いている会社もありました。

一方で、「診療日から30日以内に手続きを」という運用上の案内をしている会社も6社ありました。これは時効とは別の話です。30日を過ぎたから請求できない、という意味ではありません。

入院や手術で高額になっていた場合、未請求分がないか確認してください。診療明細書が必要になります。

火葬費用の特約は、あまりありません

火葬や葬儀の費用を補償する特約があったのは、13社中2社でした。

1社は上限額を定めた定額型で、火葬費用のほか、位牌やメモリアルプレートの作成費用、棺代や祭壇のレンタル費用を対象としています。もう1社は実際にかかった費用の一定割合を補償する形です。

どちらも主契約ではなく任意の特約です。新規契約時にしか選べない場合や、年齢によって付けられなくなる場合もあります。

逆に、約款で葬儀費用を明示的に補償の対象外としている会社もありました。「遺体処置費用、葬儀費用、埋葬費用等の死後に要した費用」を支払わない費用として列挙しています。

そして、死亡時に一時金が出る商品は、13社の公式ページでは1社も確認できませんでした。「死亡見舞金」「弔慰金」といった記述を、比較サイトなどで見かけることがありますが、各社の公式ページで裏付けを取れていません。

【重要】火葬の領収書の宛名に注意してください

特約に入っている場合、これは火葬を依頼する時点で意識しないと、あとから取り直せません。

ある会社は、葬祭費用を請求する際の必要書類として、葬儀社等の領収書で「飼い主の名前とペットの名前の両方が記載されているもの」を求めています。

火葬事業者が発行する領収書に、ペットの名前まで入っているとは限りません。特約に入っているなら、依頼するときに「領収書に両方の名前を入れてください」と伝えてください。

なお、この条件を公開していたのは1社だけです。ほかの会社が火葬時に何を用意すべきかを案内している例は、見つかりませんでした。加入している会社に確認するのが確実です。

火葬の依頼で確認しておきたいことは、ペット火葬業者の選び方にまとめています。

やる順番

急ぐ順に並べると、こうなります。

  1. ペット保険への連絡。放っておくと保険料が引き落とされ続ける可能性があります。あわせて、未請求の治療費がないかを確認します
  2. 犬の死亡届。30日以内で、罰則があります。鑑札と注射済票を用意します(なくても届出はできます)
  3. マイクロチップの死亡届出。期限の定めはありません。登録証明書を用意します

2と3は、お住まいの自治体が特例に参加していれば、3だけで済みます。

探しておく書類は3つです。鑑札、注射済票、マイクロチップの登録証明書。あとは、保険に入っていたなら保険証券と診療明細書です。

よくある質問

猫の場合、届出は必要ですか

マイクロチップを環境省のデータベースに登録している場合は必要です。猫も対象です。

登録していない場合、公的な届出はありません。狂犬病予防法の死亡届は犬だけが対象です。

鑑札をなくしてしまいました

届出はできます。狂犬病予防法施行規則第8条に「正当な理由があるときは、この限りでない」という但し書きがあります。窓口でその旨を伝えてください。

30日を過ぎてしまいました

手続きはできます。気づいた時点で自治体に連絡してください。

なお、マイクロチップの死亡届出にはそもそも日数の定めがありません。「遅滞なく」とされているだけです。30日という数字は、変更登録や住所変更の届出の期限です。

火葬証明書は必要ですか

マイクロチップの死亡届出については、環境省の公式ページに火葬証明書が必要という記載は見当たりませんでした。必要とされているのは登録証明書です。

ただし保険会社が求める場合があります。亡くなってから時間が経っている場合や、葬祭費用の特約を請求する場合です。火葬証明書や領収書は、しばらく取っておいてください。

保険を解約したら、生前の治療費はもう請求できませんか

請求できると明記している会社があります。請求期限として「3年」を示している会社が13社中7社ありました。

ただし会社によって扱いが違う可能性があります。解約の連絡をするときに、あわせて確認してください。

火葬より先に手続きをしたほうがいいですか

その必要はありません。見送りを優先してください。

ただし、葬祭費用の特約に入っている場合だけ、火葬を依頼する時点で領収書の宛名を伝えておくことを覚えておいてください。これだけは、あとから取り返しがつきにくい部分です。

さいごに

手続きの話は、気持ちが追いつかないうちに来ます。書類を探すことも、電話をかけることも、しんどい時期だと思います。

期限のあるものは、犬の死亡届だけです。それも30日あります。ほかは、落ち着いてからで構いません。

先に手をつけるなら、保険の連絡です。放っておくとお金がかかり続ける可能性があるのは、ここだけだからです。

遺骨をどうするかは、手続きが済んでから考えて大丈夫です。ペットの遺骨はどうする?に選択肢を整理しています。気持ちの整理については3匹の愛犬を見送って気づいたことに書きました。

主な参考資料

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この記事を書いた人

運営者プロフィール
はじめまして。このサイトを運営している者です。
実家では、2匹のミニチュアダックスフンド(黒・レッド)と1匹のチワワを、家族の一員として育ててきました。ですが、その3匹を、まるで示し合わせたかのように1年おきに見送ることになりました。当時は火葬や供養について何も知らないまま、自治体に引き取ってもらう形で見送ってしまい、その選び方については今も後悔が残っています。
現在は、自分自身でもミニチュアダックスフンドを1匹飼っています。まだ1歳になっていない子で、日々の成長を見ながら、いつかまた必ず来る「その日」のことを、以前より少し早くから考えるようになりました。
このサイトでは、獣医療や葬儀の専門家としてではなく、あくまで一人の飼い主として、実際に経験したことや、後から知って「もっと早く知りたかった」と感じたことを、正直にお伝えしていきたいと思っています。
ペットとの別れに向き合っている方、これから向き合うことになるかもしれない方にとって、少しでも支えになる情報を届けられればと思います。

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